そのボールペンと出逢ったのは10年前の高島屋。
文房具売場で、贈り物の伝票を書く際に男性店員がスーツの胸ポケットから差し出した。
輝く銀色と細やかな彫り。
滑るよな書き出し。
高価な恋に落ちてしまった(笑)。
そんな芸術的なボールペンをどうも落としたらしい。
そう気づいたのは1年前くらいか…
電車の中で落としたのか、はたまた何かの鞄のポケットに入ってるのでは…といい加減に(ホントにいい加減。)探していた。
最近 色々と部屋の模様替えや物の引越しをしていてソファやカーペットをどけた。
!!!
爽やかな速水もこみちだった彼が、しぶ〜い松崎しげる…!?
(注:最近 関ジャニ∞のテレビで愛のメモリー聴いて上手くて感動)
なぜられ、愛される事無く 長い間 風にさらされたせいか、あの光り輝きがまるでなく、黒く錆びたような姿…。
久しぶりに見かけた昔の彼がまるで違ってたら、ユーミンの歌にならないじゃない!
竹内まりやの名曲「駅」にもならない(∋_∈)
さて、彼をどう若返らせよう。
スーパークロスも何も役立たない。
後日 他のデパートに行ったついでに現物は持っていなかったものの、ショーケースの輝きを横目に尋ねてみる。
親切な店員さんは会社に問い合わせてくれた。
「銀磨きの布で拭くのも良いのですが地が出てしまう場合があるので、修理に出して頂く事をオススメするそうです。
ただし海外の物ですので40日くらいかかります。」
家に戻って考える。
銀磨きの布もピンからキリまであるのか?
しかし細かい柄に入り込んだ黒ずみはそれで取れるのか?
そうだ、銀の事なら隣の時計屋さんに聞けばいいんじゃん。
そしてワタシは魔法の液を手に入れる。
細長い物なら箸のケースくらいに入れて10秒。
「お前が落としたのは金の斧か銀の斧か?」
「いえいえ銀のボールペンです」
私の前に現れたのは綺麗に光ったボールペン!!
やや小さく残った部分があるものの、驚きのスピードで若返っている。
そして、ライトの明かりから蛍光灯の明かりに変えて今一度見てみる。
…??
金…?金のボールペン?!
謎を残しつつ、「ついてる!」夜は更けて行った…。
つづく!